理事長あいさつ

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——— 高齢社会におけるわが国の骨粗鬆症財団の役割 ———

骨粗鬆症財団理事長
折茂 肇

 

骨粗鬆症対策は健康づくりの要

骨粗鬆症財団(JOF)は平成3年に創設されました。JOFの活動は日本の社会に根を下ろし、骨粗鬆症という名前も一般市民の間に広く知れ渡り、ようやく市民権を得たように思われます。

高齢社会を迎えたわが国においては、高齢者が自立機能を保ち、できる限りQOL(生活の質)の高い生活を送れるようにすることが重要な課題となっています。なかでも骨粗鬆症による骨折は、高齢者の寝たきりを招く主な原因の一つとなるところから、その予防対策の確立は急務とされています。


克服に向けて立ち上がった世界中の人々

骨粗鬆症は今や環境問題と同様に“global burden”として認識されています。地球規模で活動する団体としては、1998年に設立されたInternational Osteoporosis Foundation(IOF)があります。IOFは世界91カ国・地区から188の骨粗鬆症関連団体が加盟する巨大な組織で、本部はスイスのNyonにあり、骨粗鬆症の啓発活動を中心にさまざまな活動が行なわれています。

その活動の一環として、10月20日をWorld Osteoporosis Day(世界骨粗鬆症デー)と定め、毎年この日に向けて、統一スローガンのもと世界各地でキャンペーンが行なわれています。また、世界骨粗鬆症「患者の会」(総会)が2年に1度開催されており、2007年12月にアメリカのマイアミで第11回世界大会が開催されました。これは患者の立場から骨粗鬆症に関するさまざまな情報を集め、医学会、政府、財界などに働きかけ、骨粗鬆症対策の策定に役立たせることを目的としたものです。日本においても、今後はこうした国際的な活動と密接に連携していくことが大切になります。


本格的に始まる骨粗鬆症予防キャンペーン

JOFの国内における主な活動は、骨粗鬆症に関する研究助成と、医療関係者・一般市民を対象とした啓発運動です。

研究助成に関しては、低金利の厳しい状況にもかかわらず毎年複数の研究に対して助成を行い、着実に成果を上げています。同時に、JOFでは日本イーライ・リリー社および旭化成ファーマ社のご協力を得て、骨粗鬆症患者のQOL向上などのための臨床研究へ助成を行っています。

啓発活動については、出版、講演会のほか、ホームページに質問コーナーを設け、一般市民の方からのご質問にその都度e-mailで回答する、双方向コミュニケーションのシステムを確立しています。

厚生労働省は、40歳以上の人を対象とした骨粗鬆症検診を健康増進事業の一つの柱として位置づけています。JOFは2000年4月に厚生労働省の依頼を受け、JOF監修による「骨粗鬆症予防マニュアル」を作成しました。このマニュアルは全国3,552の市町村に配布され、これから国をあげての骨粗鬆症予防のためのキャンペーンが開始されました。現在、同書はその後の新しい知見を加えて全面的な改訂を行っています。


骨粗鬆症予防を一人ひとりの問題として

一般市民の間でも骨粗鬆症に対する関心が次第に高まり、1999年には市民有志による「東京骨を守る会」が設立され、その後「新潟骨を守る会」「名古屋骨を守る会」が設立されています。このような会では講演会等を介して一般市民への啓発運動が行われております。このような会が全国各地で設立されるよう支援することもJOFの重要な役割です。

骨粗鬆症を予防し、国民一人ひとりが活動的で明るい毎日を送っていただくために、骨粗鬆症財団の果たす役割はますます重要になってまいりますが、これを実現するためには、皆様のご理解とご協力が不可欠であり、心からご支援をお願いする次第です。

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