どうカルシウムをとればよいの?

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カルシウムの多い食品にはどんなものがありますか?

図ではカルシウムが多く含まれている食品を、吸収率のよいものから並べてあります。

牛乳をはじめとする乳製品はカルシウム源としてもっとも効率がよく、豆腐や納豆などの大豆製品、骨ごと食べられる小魚、ひじき・わかめ・のりなどの海草類、小松菜やちんげん菜などの緑黄野菜も優れています。


どうしてカルシウムだけが不足するのですか?

カルシウムはどんな食品にもたっぷり含まれているわけではありません。また吸収率の悪い栄養素でもあります。心がけてカルシウムの多い食品を選ばないと知らず知らずのうちに不足してしまいます。その上年をとると小食になるため、カルシウムをとる量も減り、腸でのカルシウムの吸収も悪くなってきますので、若いときよりいっそう食事への配慮が必要となります。

もっとも最近の調査によりますと、若い人よりも50代、60代の人の方がカルシウムをきちんととっています。骨粗鬆症についての知識を持っている方が増えてきたためでしょう。若い人は、学校給食がある間はよいのですが、高校生、大学生となってお弁当や外食になったとたんにカルシウムが不足し始めます。全年代をとおして、20歳前後のカルシウム摂取量が最も少ないため、骨粗鬆症予備軍が大量に発生しています。

このほかカルシウムが不足する原因には、日本の水は軟水でカルシウムの含有率が低いため、植物のカルシウム分も硬水のヨーロッパなどに比べて少ないこと、伝統的な和食には乳製品が少ないことなどがあげられます。


カルシウムのとりすぎによる害はないのですか?

まずありません。もともと日本人のカルシウム摂取量はアメリカ人の3分の1にしかならないので、とりすぎによる心配は必要ないほどです。

カルシウムは多くとれば骨に蓄えられて骨を強くするだけです。そのうえ腸の方もじゅうぶんに用心しています。カルシウムのとり方が足りないと、腸は効率よく無駄なくカルシウムを吸収しようとします。もし少し余分だと思ったら吸収の能率を落とします。

厚生省では、カルシウム摂取量の上限値を2300ミリグラムに決めています。牛乳約2リットル分です。これはカルシウムを制限するためのものではなく、これだけとっても安全という意味に解釈すべきでしょう。

カルシウム剤を服用していて、もし便秘ぎみになったらそのときは服用量を減らします。


ダイエットをしたい。でも骨が心配です。

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ダイエットをして栄養不足になると、骨の健康のためにどうしても必要なカルシウムも少なくなります。そしておなかがすいたのを我慢しているのでストレスがたまり、尿の中にカルシウムがどんどん出てしまい、骨量が減っていきます。

若い女性でもあまりに厳しいダイエットをすると、女性ホルモンが減って生理が止まることがあります。すると骨を守る女性ホルモンの働きが失われるために、中年の女性にみられるような骨量の減少がおこります。

ダイエットは、本来医学的にみて肥満の強い人とか、糖尿病などがあってどうしても食事制限しなければならない人以外は、むやみにしないほうがよいのです。


スナック菓子が好きなのですが骨に影響ありますか?

スナック菓子には多量のリンが含まれています。リンはあまり多すぎると、カルシウムを便の中に出してしまいます。また、お菓子に含まれる砂糖などは、適量であればカルシウムの吸収を助けてくれますが、やはり食べ過ぎるとカルシウムを尿の中に出してしまいます。スナック菓子を食べる場合は、カルシウムを補給するために、牛乳を一緒に飲むなどの工夫をすると良いでしょう。

なお、お菓子を食べ過ぎて、食事からカルシウムが補給できなくなる方がもっと問題なので、食べ過ぎにはくれぐれもご注意を。


テレビ番組でカルシウムのとりすぎは良くないと言っていましたが
本当なのでしょうか

どのような栄養分でも無限にとってよいものではありません。その点カルシウムも例外ではなく、とりすぎがないという訳ではありません。 しかしながら問題は、私どもの普通の食事でカルシウムはどの位とれているか、どの位が健康に良いか、どの位までは安全で、どの位から上は気をつけなければならないかということです。

まず第一に申し上げたいのは、日本人は世界で最もカルシウムのとり方が少なく、カルシウムについては、ほとんど飢餓の状態にあるということです。他の栄養分、ことに脂肪や糖質、蛋白などについてはとりすぎが多いとされ、肥満や糖尿病・動脈硬化などが増えているのはご存知の通りですが、カルシウムは全く逆で、とり方が世界の他の国々に比べてはるかに少なく、このためにいろいろな生活習慣病が増えているのです。

カルシウムのとり方が少なくても、血液の中のカルシウムは必ず一定に保たなければなりません。もしも血液中のカルシウムが下がると心臓の動きが悪くなり、脳のはたらきにも支障がでて、生命の危険が起こります。このためにカルシウムのとり方が少なくて血液のカルシウムが少しでも下がりかけると、副甲状腺ホルモンの分泌が増えて骨からカルシウムを取り出し、血液中のカルシウムを元に戻します。このようにして私どもは何とか生きているのですが、骨のカルシウムはだんだん減って骨粗鬆症になります。骨粗鬆症は人間がかかる病気の中で最も多く、日本では1千万人以上がその危険にさらされています。他人事ではありません。骨粗鬆症を予防し治療するためには、少なくとも1日1000~1500mg、つまり成人の栄養所要量の2倍以上が必要であることが、世界の専門家の一致した意見です。

このことを念頭に置いて、厚生労働省は上限量として1日2,300mgを定めました。一口に 2,300mgと言いますが、これは大変な量です。所要量の4倍以上です。牛乳だけでとると2リットル以上、毎日とるのはとても無理な量です。別の言い方をすると、安全な上限量は青天井で、とれるだけとっても良いということです。 1日1,500mgはもちろん安全ですし、年をとって腸からの吸収が減ればもっととっても大丈夫です。いつも骨からカルシウムを引き出していると、副甲状腺ホルモンの値が年をとるとともに上がってきますが、1日2,300mgのカルシウムをとると若い人と同じ水準まで下がります。カルシウムを充分にとることは若さを保つ秘訣です。

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カルシウムが足りないと骨粗鬆症の他に高血圧・動脈硬化・糖尿病・アルツハイマー病・変形関節症など色々な生活習慣病にもかかりやすくなります。これは副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを引き出して、血管・脳・軟骨や細胞の中など、普通はカルシウムが余りない所に押し込んでしまうためです。カルシウムを充分にとればこれらの病気も防げます。カルシウムのとりすぎをおそれず、1日2,300mgの枠の中で、できるだけ沢山カルシウムをとって健康になり、骨粗鬆症をはじめ色々な生活習慣病を予防しましょう。

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