骨粗鬆症財団20年のあゆみ
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57IOFは医師や患者の会、企業からの世界規模の統一した組織が必要であるとの声を受け、元々Europeにある2つの団体、EFFO(the European Foundation for Osteoporosis 、1987年設立)とIFSSD(the International Federation of Societies on Skeletal Diseases、1995年設立)が、1998年9月にthe European Congress on Osteoporosis (Berlin)において統合したものである。当初の規模は世界46カ国74団体であったが、現在は94の国と地域、202団体まで拡大してきた。参加する地域、団体が年々増加するにつれて、また国際的な多様化の時代に入り、地域毎の取り組みの重要性がますます増大してきた証と言えよう。近年IOFは世界の骨粗鬆症に対する活動を活性化する目的で、世界をEurope、 North America、Latin America、Asia-Paci■c、Middle East and Africaの5つのRegionに分け、Regional Programとして長期計画を組み活動している。Asia-paci■c地域においてRegional Programを支える役割として、2010年にRegional Advisory Council(地域諮問委員会、以下RAC)が新設された。そのメンバーとしてわが国からは小生が選ばれ、わが国と韓国の担当として活動することになった。RACの役割はIOF Board メンバーやCNS(Committee of National Societies:各国の骨粗鬆症関連団体で構成される組織)、CSA(Committee of Scienti■c Advisors:各国の医師や専門家で構成される組織)およびCCA(Committee of Corporate Advisors :各国のIOFをサポートする企業で構成される組織)に助言を与えることである。また、RACはRegional Programを提案したりその進め方に助言を与えたりする役割も持つ。構成メンバーはその地域の候補者の中から選挙で選ばれた少なくとも4人以上で構成され、職権上のメンバーとしてBoardメンバー(理事)が入る。2012年3月21日にフランスのボルドーで開催されたIOF Asia-Paci■c Regional Advisory Council会議では、IOFの活動におけるアジアの役割の重要性が改めて確認された。この会議ではAmbrish Mithalが議長となり、今後の活動の柱として、アジア各国での疫学データの比較、なかでも大■骨近位部骨折のデータをまとめることが決定された。また、同年12月にクアラルンプールで開催のRegional Meetingのプログラムについて検討され、できる限り多くのアジア諸国の参加が得られるように、各国から講演者を選択するように配慮された。 1 普及・啓発事業(海外)12. IOF RAC(Regional Advisory Council)の 骨粗鬆症の疫学、診断から治療については、アジア各国で大きな温度差がある。アジアの中で日本が果たす役割は大きく、アジアのリーダーとして骨粗鬆症診療の知識と技術に関する啓発を続けていく必要が有る。現在のAsia-Paci■c RACのメンバーは表1の通りである。(鳥取大学医学部保健学科教授 萩野浩)新設と役割について

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