骨粗鬆症財団20年のあゆみ
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調査・研究事業に関しては,財団設立当初は国の補助金事業に応募し、採択された調査・研究を実施してきた。例えば、社会福祉・医療事業団長寿社会福祉基金による平成6(1994)年度の「転倒防止対策のための調査研究事業」や、老人保健健康増進等事業による平成4(1992)年度「骨粗鬆症の早期発見のための検診手法の開発に関する事業」などがある。前者については平成13(2001)年度まで継続採択され、後者についても、時代に応じたテーマで応募し、現在に至るまで毎年継続して採択されている。 (p.84~87 表1~3)・ 閉経後の女性は、骨粗鬆症は適切な食事や運動といった生活習慣の改善により予防・ 内科医は骨粗鬆症の早期診断と予防が重要であると考えているが、実際の診療の場・ 骨粗鬆症女性でも、薬がきらい、副作用が心配などの理由で、薬物療法を継続して66IOFは、2000年に海外11カ国において骨粗鬆症に関する医師と閉経後女性の意識調査を実施した。日本においても内科医師100名と全国の閉経後女性320名(骨粗鬆症患者160名、非患者160名)を対象に同様の調査を2002年5月から7月にかけ行った。調査結果をまとめると下記のとおりであった。・ 閉経後の女性は骨粗鬆症についての知識や理解度が高いものの、骨粗鬆症を自分自身のリスクとしてあまり認識していない。骨粗鬆症女性でも、疾病を深刻なものと考えているのは半数にとどまっている。・ 閉経後の女性の多くが、自分はまだ大丈夫と考えており、骨粗鬆症検診を定期的に・ 内科医が骨粗鬆症を疑うきっかけは、患者からの痛みなどの症状の訴えや検査希望1. HOW FRAGILE IS HER FUTURE ?骨の健康、考えていますか? (平成15年度事業) 3 調査・研究事業また、補助金事業とは別に企業とのタイアップ調査や財団独自の調査・研究を行ってきた。代表的なものとして、「HOW FRAGILE IS HER FUTURE? 骨の健康、考えていますか?」、「診療所に通院する骨粗鬆症患者さんの内服薬の服薬コンプライアンスと腰背痛の現状」、「骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート系薬剤)の服用に関する調査結果」、「FRAX®の受容度に関するアンケート調査」などがあり、結果は資材や財団ホームページなどに掲載している。以下にその概要を示す。受診する割合は低い。や治療ができると考えている。で骨粗鬆症の話題が患者との間にのぼることは少ない。によるなど、受動的な場合が多い。いる人は4割にとどまっている。1. 補助金事業および調査・研究事業

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